失敗しない「自費出版会社の選び方」

印刷・製本するだけの会社に注意!

~「自費出版」は「私信」の出版ではない。 

印刷技術が発達し、従来のようにオフセット印刷による大量印刷から、必要部数だけをプリンターでプリントアウトし、それを折って製本する「オンデマンド印刷・製本」が可能となりました。このことから多くの印刷会社が「自費出版」の受注に乗り出し、「50ページの本の自費出版を5025,000円でお引き受けします」などといったうたい文句で「格安自費出版」を引き受けています。

しかしこの場合注意しなければならないのは、入稿データーはPDFデーターによるものが多く、校正も含めて編集作業自体は著者が行わなければならないということです。

本は、著者の「精神的所産」にかかわる産物ですが、それを自著として世に問う以上は、まず、著作物の内容構成がしっかりしていること、わかりやすい記述であること、記述内容に誤りがないこと、用語や字句の用法が正しいこと、誤字脱字がないことなどが必要で、さらに、読まれる魅力的な書名、章見出し、小見出し付けを行うなども必要です。

こうした作業を「編集」といいますが、この編集作業は「客観的」「専門的」「全体的」に行うことが何よりも大切で、それには編集者という専門職能をもった第三者の介在が何よりも必要になります。

例えば著者が書いた原稿は、著者がいくら推敲を重ねたものでも、一般の人が読むとなるとたいへん読みづらく、わかりにくいのが普通で、こうした著者からの原稿を編集者は「生(なま)原稿」と呼んでいます。こういった「生原稿」の内容を再構成し、その上で読みやすく、誤りがなく、読んでもらえる「完全原稿」を作成するのが「編集」です。

また、

①「差別的表現」がないかチェックする。

②著作権に問題はないかチェックする。

③個人情報の取り扱いに注意する。

ということも大切です。

そしてこうして出来上がった「完全原稿」を「レイアウト・デザイン」して、校正紙をプリントアウトし、何度か校正を繰り返して「校了」(校正終了)し、それを「印刷・製本」して初めて「本」になるわけです。

したがって「格安自費出版」と言いながらも、ただ単に印刷・製本するだけの会社は、こうした「本づくりのプロセス」を経ていないので、「私信」と異なり、不特定多数の読者に読んでもらうといった書籍が本来持つべき目的を達成することは到底できないのです。

 

「自費出版」費用が100万円以上、中には800万円を要求する出版社に注意。

~ベストセラーはそんなに簡単に生まれない。

特異な人生経験を持っていたり、趣味などの分野で卓越した技術や知識を持った人ならば、「一生に一冊は本を出したい」と思っているでしょう。また、成功した経営者ならば自分の会社のPRを兼ねて自著を出してみたいと思うでしょうし、いわゆる“士業”の先生にとって自著の出版はクライアント開拓の有力な武器になります。

今から20年以上も前でしたら出版社もこうした著者の発掘に積極的で、自費出版ではなく、「うちから本を出しませんか」と商業出版ベースで話を進めてくれることもありました。つまり、出版社がもろもろの出版経費を負担して、書店ルートで販売し、あわよくばベストセラーにして儲けようというわけです。

しかし、平成81996年)をピークに、出版物販売金額は減少の一途をたどり、今日(2017年)では、出版物販売金額(推定)が1兆3700億円となり、ピーク時のほぼ半分になってしまいました。「本が売れない」時代になってきたのです。

当然、出版のハードルは年々高くなり、出版社は、売り上げがあらかじめ確実に見込める本しか出さなくなってきたのです。

そこで無名の著者としては、「本を出すなら自費出版しかない」ということになったのです。

そして「せっかく自費出版をするのだから、名前の売れている出版社から出版したい」と思うのは当然でしょう。

しかし気を付けなければならないのは、こうした名の売れた出版社での自費出版の多くが、「出版編集料+著者の1,000部買い取り」といったきつい条件があることで、たしかに商業出版とそん色のない、それなりの本が出来上がりますが、100万円単位の自費出版費用がかかるのがふつうであるということです。

それに1,000冊を買い取ったとしても普通の人がこの1,000冊の在庫をさばくことは、ほぼ不可能でしょう。

それでも不思議と多くの著者が、「うまくすればベストセラーになり、その印税で自費出版費用なんかすぐに元が取れる」と思い、300万円以上の自費出版費用がかかる「出版契約」をしてしまい、結局は在庫も山を抱えて「大損」することが多いようです。

ベストセラーはそんなに簡単に生まれはしないのです。

 

良心的な自費出版受注会社とは。

~料金がリーズナブルで、編集能力があり、丁寧な顧客対応をしてくれる会社を選ぶ。

さてそれでは、どのような会社に自著の出版を依頼すればよいでしょうか。

その10の条件を以下に列挙してみました。

 

①新聞や雑誌などで派手に広告をしていない会社。

自費出版費用にその莫大な広告料の一部が上乗せされ、出版料が割高になります。

②「○○を拝見しました。本を書いてみませんか」とあたかも出版を依頼するような電話をかけてこない会社。

「本を書いてもらいたい」というような電話をかけてきて、実際に会ってみると有料で高額の「自費出版」を勧誘する会社は、自費出版をしたい人を「カモ」にし、とてつもない自費出版料を要求することが多いようです。

③自費出版を申し込むと「○千部作成して、書店配本をしませんか」とやたらに書店販売を持ちかけてきて、莫大な自費出版料を要求しない会社。

書店配本をするには最低でも2,000部は必要で、それでも大手書店の片隅に1冊並ぶ程度で、表紙が見える平積みにするほどの部数は配本されません。また、返品された本の保管料が請求されることあるようです。

④自費出版した本をPRする「しくみ」を持っている会社。

出版したらそれきりというのではなく、ホームページなどで常時PRするといったことをしてくれるところを選ぶようにします。ただし「○○万円出して新聞広告を出しませんか」と持ち掛けてくるところは要注意だと思います。

⑤自費出版した本に「出版コード」(ISBNコード)と「JANコード」をつけることができる会社。

自費出版した本を流通販売するためには不可欠となります。

⑥自費出版した本を販売する「しくみ」を持っている会社。

「アマゾンで販売する」「書店からの注文を受け付けてくれる」など、書籍販売の手段を持っていることが必要です。

⑦執筆者が書いた原稿をそのまま本にしない会社。

印刷会社の「自費出版ビジネス」は、目次づくりや校正などすべて著者任せにするところが多いようです。これでは「読まれる本」にはなりません。

⑧「自費出版料金」が明確になっている会社。

編集・デザイン・校正・印刷・製本代などの料金がパッケージ化され、さらに本の原稿量、仕上がりのページ数、発行部数などに応じたオプション料金が明示されている、また、料金明細が明示されている「見積書」を提出してくれる会社なら安心です。

⑨十分な編集が行われていること。

その会社が出した「自費出版本」を購入し、校正ミスがないか、読みやすいかなどを検証してみることが大切です。

⑩編集経験の豊かな担当者が付き、「出版契約」から本の発行までを一貫して担当する会社。

自費出版の売り込みを「営業」担当者が行い、「出版契約」をしたあとは、編集者に任せきりとなり、編集者に編集上の要望を出しても十分に聞いてくれず、「営業担当者」に申し入れてもなかなか話が通じない、というのでは困ります。そこで、あらかじめどのような編集体制になっているか、きちんと説明をしてくれ、丁寧な顧客対応してくれるところに任せるとよいでしょう。

 

こうしたことを踏まえて自費出版受注会社を選べば、きっと著者として満足のいく本が出来上がるはずです。

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