→「TEM 知恵の輪クラブが答えます。」
逮捕され、警察署に連れていかれたら、その後どうなってしまいますか?
A
「日本国憲法」では、
第31条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
とあります。
明治憲法は、「日本臣民ハ法律ニ依ル非スシテ逮捕監禁審問処罰ヲ受クルコトナシ」と規定していましたが、実際は、戦前まで警察とりわけ特高や憲兵による理不尽な逮捕、拷問等の人権蹂躙行為が実際にも行われていました。現在でも、政府の政策を批判したというだけで身柄を拘束されるような政治犯を作り出している国々がまだあります。
犯罪者に対して、なぜそこまでの人権保障をするのかと言われる人もいますが、日本国憲法は、このような歴史を踏まえて、人身の自由について、31条から40条までに、いくつかの規定を設け、国家権力が刑事手続において、国民の人権を侵害しないよう配慮しています。
憲法31条は、刑事手続につき、法律の定める手続に依らなければ処罰することができないと定めました。これを適正手続の保障と呼んでいます。
憲法のこの精神を受けて、刑事訴訟法が人の逮捕から裁判に至るまでの刑事手続を規定しています。以下に刑事手続の流れをわかりやすいように図示します。
刑事手続の流れ
事件発覚 被害届、告訴等により警察の捜査開始
↓
任意捜査
↓
逮 捕
逮捕から48時間以内に送検
検察官送致から24時間以内に勾留請求
↓
勾 留 勾留期間10日
勾留延長10日間
↓
起 訴 不起訴 起訴独占主義 起訴便宜主義
起訴後勾留 勾留期間は保釈又は判決宣告まで
↓
公 判
人定質問
起訴状朗読
罪状認否
冒頭陳述
証拠調べ
検察官の論告求刑
弁護人の最終弁論
被告人の最終陳述
判決
(TEM法Q2)
トータルEメディア出版刊
宮澤俊夫「よくわかる憲法講義ノート」
134ページ~136ページより